コロナがもたらしたもの

井上 美穂
withコロナ

新型コロナウィルスが登場して、はや丸1年が経ちました。

時の流れるのは早いものです。

最初はウィルスの内容も治療法も分からなかったために、ものすごい恐怖の中で過ごされた方も多かったことでしょう。 といってもこの1年が過ぎて見て、その不明点がわかったのか?と言われれば発表を見る限りは一般市民にはまだ何も知らされていないのでわからないままなんだろうなぁ、と言うよりない状況です。

しかしながら人間逞しいのかなんなのか、もう1年も過ぎてみると、何やら非常事態にもマスク生活にもアルコール消毒にもすっかり慣れてしまった自分がいます。

そして、不謹慎ながらこのコロナとともに生きる生活洋式は自分にとっては悪いことばかりではないというのも1つの事実。

まず、通勤というものがなくなったことで、改めてぎゅうぎゅうのラッシュでいかに自身が疲弊していたのかをまざまざと思い知りました。

筆者、たまたまコールセンター職からデザイナーに転職していたことで割と早めにリモートワークの波に乗れた組でして。

最初は仕事をする環境を整えるのに若干苦労はしたのですが、それもやはり慣れなんでしょうか? 今は自分なりの集中スタイルも確立できたおかげで、リモートが非常に働きやすいです。

そして、自宅近くに井の頭公園があるため、自然の中をお散歩するという習慣が自然と始まりまして、動かない分ちょっと太ったものの出社していた時よりもはるかに健康的に過ごしています。 (お前は冬の激務で腰が死んだんじゃねぇのか、というツッコミをしてくださった方。ありがとう、その通りだ)

ただ、それ以上に筆者にとっての恩恵は。 家で仕事をすることで生活が格段に丁寧になったということでした。

家で仕事をするため、必然的に3食とも家で食べることになります。
前は出勤時間があったため、簡単に済ませたり、会社近くのコンビニで購入していたご飯が 家に変わったことで、毎朝しっかりコーヒーを入れて、フルーツとトーストをいただくという 立派な朝ごはんに変わりました。

お昼も自分で炊いた温かいご飯と手作りのおかずをいただきます。
そして、家で仕事をするので雑然とはできなくなり、頻繁に掃除、片付けをするおかげで常に家が そこそこ綺麗です。

何か特別なことをせずとも、こういう丁寧な暮らしをするだけで人というのはこんなにも精神が 安定するんだな、とつくづくびっくりしたものです。

いろんな境遇の方もいるのであまり大きな声で言えることではないと自覚しています。

実際にコロナで苦しい思いをされた方もいるでしょうし、飲食業界などは計り知れないダメージを 今も負い続けているわけで。

ただ、ひとつ確実に言えることは。 いままで私たちは「距離」というものに対して結構無頓着だったんじゃないかということ。
会える、っていいこともいっぱいありますが、会えるからこそ疎かになることもある。 見える、といいこともたくさんあるけど、時には見えないからこそ気づけることもある。

こうして物理的な制限を受けたことで、多面的に物事を見ることを余儀なくされているようにも感じます。

あなたはいかがですか?

少なくとも筆者はただ漫然と事態を受け入れているこの日々に意外なほど、気づきを貰っている気がします。

そして、その気づきは出来るだけこれからを生きる知恵に変えていきたいなと、そう思っています。