話題のリメイク作品に学ぶ!リメイク成功の秘訣とは?

井上 美穂
おすすめサブカルチャー

今年春から急に始まった巣籠もりで、普段外遊び中心の方も家でしかできないことを懸命に模索したことと思います。

そして、必然的に多くの人が目を向けることになったもの・・・・それがテレビゲームでした。

これを機に過去のゲームを引っ張り出してみたり、はたまた久しぶりにゲームを購入した、なんて方も多かったのではないでしょうか?

そんな時期に合わせてと言うか、結果的にドンピシャでその時期に発売になったことでバカ売れをしたゲームと言えば・・・筆者的には下記の3作品です。

  • あつまれ!どうぶつの森
  • リメイク版 ファイナルファンタジー7
  • リメイク版 聖剣伝説3

あつまれ!どうぶつの森(以下あつ森)はこの自粛期間には有名人もたくさん遊んでいたことでも話題になりましたね。

リアルで会えないならあつ森で会えばいいんだ!とばかりに、あつ森ワールドで交流をすることで孤独になりがちなこの期間を乗り切った方も多かったのではないでしょうか?

さて、そのあつ森以外に並んだものはなんと、軒並み過去に大ヒットしたゲームのリメイクたちです。

当時やり込んだ人も多かろう、名作の数々。

ハード機もスーパーファミコンからプレイステーションに変わり、プレイステーションは5が発売されたばかりなので、もはや歴史を感じずにはいられません。

さてこの2作、今回リメイクとしてリリースされてみてしばらく経ちますが、世間的にはかなり評価に落差のある2作となりました。

まずは誰もが知っているファイナルファンタジーですが、こちらはそもそも7自体が大ヒット作で何度も別視点作品やはたまた映画にもなっている中で、満を辞してのフルリメイクだったということもあり、発売前の期待はそりゃあもうすごかったです。

それを制作側もわかってのことでしょう。蓋を開けてみれば昨今当たり前になりつつあるフルボイスはもちろんのこと、映画かな?と思うほどのグラフィックの作り込みや追加エピソードも満載で豪華なことと言ったらなかったです。

しかし、この期待の星であったFF7。売り上げも凄かったが、主に購入してプレイした人を中心に大炎上を巻き起こしました。 一体何が起こったのかと言いますと。

衝撃の「to be continued 」

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そもそもゲームというコンテンツでは「続きもの」ということ自体があまり類を見ません。 シリーズもので、世界や時間軸が実はつながっていて、結果的に続きっぽくなることはありますが大体においてゲームというのは一本のお話としてきちんと完結できるように作られていることがほとんどです。

その中で、しかも過去作のリメイクでありながら、異例の「to be continued 」となったのが本作。

リメイクだー!やったー!!と喜び勇んで遊んでみてびっくり。

なんと、全編収録されていない。

FF7のストーリー全体を10とするならば2くらいでしょうか?

ええ、つまり半分もなかったと言うとてつもないオチがついておりました。 具体的に言うと、ミッドガル脱出までしかなかった。 そして、詳細は端折りますが、どうも微妙にストーリーも改変されそうな予感も孕んでいます。

制作陣はおそらくこのストーリー改変に重きを置いた上であえて続きものとしてリリースしたのだと思いますが、過去に全編遊んだ人は、この先に迎える展開をリメイクで体験したかった人が大変多かったので結果的に炎上を巻き起こすことになってしまったものと思われます・・・そう、豪華なのは嬉しいんだけど純粋に全部遊びたかったんだよね〜〜・・・・シクシク。

そして、更にこの豪華なクオリティを維持したまま次作を作るとなると次は一体いつになってしまうのだろうか・・・・というとてつもない不安が現在、筆者を含めたプレイヤーにはぐるぐると渦巻いています(笑)

1年なら頑張るけど、3年とか言われるとなぁ・・・。 まるで長旅に出る恋人を待つかのような複雑な心境です。 無事に幸せの黄色いハンカチをお屋根に付けられる日は来るのかしら・・・・・?

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さて、期待がでかかっただけに物議を醸したFF7リメイクに対し、リメイク作品としては大成功を修めたのが聖剣伝説3です。
他の記事を見てもリメイクのお手本とも言われており、最近のリメイクゲームの中ではトップクラスの満足度を叩き出しています。
この両者の違いは一体どこから生まれたのでしょうか・・・・?

追加要素をあまり入れない、素直なリメイク作品

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その昔、ファミコンから始まったゲームがスーパーファミコンでリメイクされたり、元祖プレイステーションでリメイクされたりと、リメイクものがよく出ていた時期がありました。

そのころのリメイクといえば、ストーリー構成なんかは全くそのまま。すこーしだけシステムやエピソードを追加することはあるものの、基本的にはハードが新しくなったことに合わせて、グラフィックを一新し、音楽もいま仕様にアレンジする、というのがもっぱらのリメイクでした。

聖剣3はそれをプレステ4といういくらでも情報を増やせる大きなハードに移しても、下手にいじりすぎず、かつてのリメイクと同じような感覚で素直にリメイクをしてくれました。

グラフィックは美しく生まれ変わり、当時ドット絵でチョロチョロと動いていたキャラクター達は今風の等身大サイズに。

しかしながら、ファミコンで遊んでいた頃のアクション要素はそのまま受け継がれており、実際にキャラクターを動かしてみると「あの頃の感じ」が蘇ってくるような懐かしい体験ができました。

ちなみにスーパーファミコン時代、聖剣伝説は当時としては新しい試みだった、リアルモーション戦闘というのが売りでした。

当時のRPGというのは、フィールド画面や街画面があってそれぞれ微妙に視点が違っていて、それに加えて敵とエンカウントすると戦闘画面に切り替わる、というのが主流。

そんな中で聖剣伝説は、ダンジョンやフィールドは同じスクロールの上に存在しており、敵とエンカウントするとそのまま同じ視点で戦闘が始まるという新しい仕組みを採用しました。

これがねー、好きだったんですよー。

あ、敵いる。見つかった!戦闘だ!っていう自然さがあってね。

敵の位置が分かっているので、うまく迂回すれば逃げられるっていうのも良かった。
この体験をごっそり移植してくれたのは嬉しかったです。

ありそうでなかなかないので、ここまで拘ってリメイクしてくれたんだなぁと筆者は感動しました。

グラフィックが変わったことを考慮した、遊びやすいやさしい仕組み

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ヘビーなゲーマーさんにはなかなか理解されない点かもしれませんが、昔っからゲーム好きでいろんなゲームにハマり倒してきた筆者は昨今の美しいグラフィックのゲームで1つ困っていることがあります。

それは・・・・マップが広すぎて迷子になる・・・・というもの。

かつてのドット絵ゲームは、街でもダンジョンでも上から眺めればざっくりと俯瞰できるのでローラー作戦のように片っ端から回るというのが非常に容易でした。

ところが昨今はもっぱら3D視点。

主人公の後ろ姿を眺めながら同じ視点で街でもダンジョンでも動かして行くので、ちょっと同じような景色が続くとあっという間に自分がどこにいるんだか分からなくなります。

そういう迷子ユーザーにもこのゲームは配慮してくれているのか、ストーリーを進めるにあたって重要な場所にはなんと星マークがついております。

星マークの場所に行くと話が進むとわかっているので安心して街を観光できるのは本当にありがたい。

リメイク作品は子ども達ももちろん遊ぶでしょうが、当時勇者だったけど、今はお父さんやお母さんという世代も遊びます。

ゆえにそんな歳を食ってしまった層にとって少しやさしさを持った作りになっているというのは痒いところに手が届くというか、「ああ、わかってくれてるぅ!」と感じます。

ようやく「これだ!」という場所に手が届いたリメイク

最後にこれは余談に近くなるのですが、実は聖剣伝説シリーズは過去に2も同じプレステ4というハードでリメイクを出していて、ここでなかなか手痛い失敗を経験されています。

聖剣伝説は3ももちろん人気でしたが、その前の2の人気も凄まじく、実のところ筆者は聖剣2こそが人生を変えるほどハマり倒したゲームの1つだったりしました。

しかしながら、聖剣2のリメイクはグラフィックは3Dになったものの3等身くらいのキャラクターであまり目新しさがなく、逆に音楽のアレンジは少し手を加えられすぎていて、過去作品を愛したユーザーからは少々受け入れにくいものでした。

そこに加えて、操作性があまりよろしくなかったことで最後までプレイヤーをがっかりさせてしまったのが前作のリメイク。

この経験があった上で、今作はその失敗を活かし、見事に起死回生を果たしてくれたわけです。

2の時にあれだけのバッシングがあった中ここまで漕ぎ着けてくれた制作チームの皆様には本当に心からの敬意と感謝をお伝えしたい。

本当にありがとうございました。

いまの時代リメイクは難しいもの

いまやハード機が新しくなるにつれて、ゲームに盛り込める情報というのは格段に増えています。

以前は、ドット絵に8bitの音、あとは動かすためのシステムで手一杯だったものが、絵はどんどんリアルになり、3Dグラフィックやムービーは当たり前、音楽はオーケストラの生音も入るようになりましたし、そこに加えて演者さんのフルボイスも入るようになりました。

つまり盛ろうと思えばいくらでも盛れてしまうという土台が出来上がっているわけで、そういう観点で行くならばFF7リメイクは少々欲張りすぎたと言えるのかもしれません。

逆に聖剣はシンプルにリメイクしに行ったからこそ、かつてのユーザーたちがこぞって「これこそリメイクだ!」と一気に受け入れられた。両者の大きな違いはここにあるのでしょう。

そもそも論としてゲームという媒体の進化が著しく、かつてと現在とでここまでポテンシャルに差がある状況でリメイクを出す、というのはきっと簡単なことではないのだとつくづく感じます。極端な話、下手にハードルを上げてしまうリメイクを出すより新作を作る方がずっと容易なのかもしれません。

それでも、ユーザーというものは欲深い生き物で、あの当時の景色が生まれ変わった世界でもう一度活躍することをどうしても夢見てしまうもの。

ゲーム会社のクリエイターさんやプロデューサーさんにはこれからも、是非リメイクを作り続けていただきたいと思っています。
そして、スクエニ様、FF7次作・・・オイラ、待ってるから・・・!!!