正しく不安対策をしよう〜エクスプレッシブ・ライティングのススメ〜

井上 美穂
心のおはなし

こんにちは。 皆様、いかがお過ごしでしょうか?

2度目の緊急事態宣言が出てしまいましたね。 いつまで経っても先が見えないこの感じ、なかなか堪えるものがあります。

こんな状況下なので、日常普通に過ごしていても通奏低音のようにひたひたと不安が 忍び寄ってくるような感覚を感じている方も多いのではないでしょうか?

ちょっと精神世界的な話になってくるのですが、人は様々な意識の層を持つと言われています。

自分でもはっきり認識しているものを、顕在意識。

自分では普段認識できていないけど意識の中には存在しているものを、潜在意識。

そして、その先には全く意識できない無意識。 さらに無意識のその先に行くと、集合無意識という層があると言われています。

この通奏低音のような不安はこの集合無意識からきていると言われています。

少し、わかりにくいと思うのですが、例えば、自分の隣にものすごく怖がっている人がいると 思ってください。 宥めたり、励ましたり、色々働きかけたりするけれど全然安心する気配がない。 すると、だんだん自分も不安になってきたりすること、ありませんか?

これ、不思議ですよね。 自分は相手が怖がっている対象を怖がっていなかったにも関わらず、相手の恐怖が強いと 自分が怖くないのがなぜか不自然に感じてきてしまい、だんだんそら恐ろしくなってくる。

集合無意識とはこの感覚に少し似ています。

我々ヒトは社会的な動物なので、街や村といった集落でみんな一緒に暮らしていますよね。 どんなに普段引きこもって人と接触を絶っていても、同じ種族という繋がりが存在しています。

すると、今回のコロナのように不安を感じている人が一定数以上存在してくると、それが社会全体を包んできて、集合無意識を通じて、不意に伝播してきます。

この不意にというのが非常に困ったもので、例えば急に何かに取り憑かれたように生命を絶ってしまう人というのは一部、この不意に伝播してくる集合無意識に背中を押されている状態にある可能性があるのです。

流れとしては、 もともと自分の中に深い深い絶望があるが自分自身では気づいていない。

そこに集合無意識からの不安がワッとやってきて、その絶望のスイッチを押す。

突如湧き上がった絶望の感情に耐えきれなくなり、その感情からの開放を願って生命を絶ってしまう。

このような感じかと思います。

ちょっと重たい話ですみません。ですが、昨今のニュースなどを見ているとこれは誰もが 他人事ではない感じを受けるのであえて書かせて頂きました。

これだけみんなが不安に思っていると、その強い不安を取り除こうと思ってしまうともはや 先の例のようにこの肉体を離れるしかなくなってきてしまいます。

つまり、今は不安を不安として共存を許してなんとなくやり過ごす、ということが実は必要になってくるのです。

そのためには、自分の中にもともとある不安感をなるべく顕在化しておく必要があります。

先の例で行くと、もともとあった絶望感は触発されてでてきたわけなのですが、この絶望単体ではおそらくとても苦しいのは間違いないでしょうが死に至るほどの衝動は起きなかったはずです。

問題は認識していなかったことでびっくりしたことと、集合無意識が合わさって、ネガティブな感情が爆発的に襲ってきたことです。

なんかよくわからないけど、とてつもない絶望感に襲われた、っていうのはむちゃくちゃ怖いですよね。 よくわからないのがさらに恐怖を煽ってしまいます。
だけど、こうして分解してみると、もともとあった絶望を認識できていなかっただけなのです。

こういう事例はきっと多いと個人的には思っています。

そして、みんな誰もが不安は抱えているし、それはすぐに解消できるものでもありません。 でも、認識して自分の中で何か対策を講じようとしていると、そこに集合無意識の掛け算が きたとしても気づくことができます。

さて、そうは行ってもどうやって顕在化したらいいんだ?とお思いかもしれません。

筆者的に手っ取り早いおすすめ手段は「エクスプレッシブ・ライティング」です。

エクスプレッシブ・ライティングとは、アメリカの心理学者、ジェームズ・ペネベーガー氏によって提唱された心理療法手段のひとつで、日本では「筆記開示」とも言われています。

具体的には1日20分、とにかく自分の思ったことをひたすらにノートに書きだすといいうだけで手段としてはとてもシンプル。紙とペンだけあればすぐに始めることができます。

シンプルな手段ながら、書き留めておくことでしばらく時間が経過した後に改めて眺めることで客観視にもなりますし、書き出したことで顕在化できるわけなのでそこで改めて対策を打つこともできるため、不安対策には抜群の手法です。

エクスプレッシブ・ライティングについてはメンタリストDaigoさんがとても具体的な動画をあげてくださっているのでこちらもぜひ参考にしてみてください。

外側の現実が変わるのはまだ時間がかかりそうなので、まずは己の内から整えることで、ともに乗り切って参りましょう。