承認欲求ってなんだろう? 〜あんまり教えてもらえないこころのおはなし vol.2〜
心のおはなし

心のおはなしシリーズ第二弾です。
前回は自己肯定感のお話をしました。
今回はその自己肯定感にも絡みが深い承認欲求のお話。
承認欲求とは?

そもそも、承認欲求とはなんなのか? 読んだままならば、「認めて欲しいと言う欲求」のこと、となります。 非常にわかりやすいですね。
まず、ここはまずは清く正しい、wikipedia先生からのありがたい引用から参りましょう。
承認欲求(しょうにんよっきゅう)とは、「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という欲求であり、「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれる。
wikipedia「承認欲求」より引用
さすがwikipedia先生。たった、2行の中にものすごく核になるキーワードを入れてくださっています。
「尊敬、自尊の欲求」これこそが承認欲求。
つまり、他者から認められることで、自分を価値ある存在として認めることが出来るため、承認を欲する感情。
それが、承認欲求です。
他人からの評価で価値が決まる?

さっきの定義をそのまま読んだ時、少し危うさを感じた方はとても鋭い方だと思います。
承認欲求って他人から貰わないと満たされないのか?
ここは気になりますよね。
そんなことはありません。
他者から貰うと嬉しいですが、自分で自分に承認をあげることでもこの欲求は満たすことができます。
むしろ大人になればなるほど、まず自分で自分に承認をあげ続けることこそが大切になってくるとも言えるでしょう。
ただ、ここで人によって欲求のハングリーさに差があります。
ものすごく承認欲求の強い人もいれば、さほど気にしない人もいます。
承認欲求がさほど強くない人は貰えたらラッキー。基本は自分で満たしてるから大丈夫よん、みたいな感じなのですが、承認欲求の強い人は、この承認を貰うためならなんでもするというなりふり構わない行動にでがちになります。
この違いは何かというと、前回登場した自己肯定感なんですね。
自分で自分の存在を認めている。という土台があるかどうか。
これで、ハングリーさのレベルが変わってきます。
ここで前回の記事を読んでいただいた方はピントきたかもしれません。
はい。自己肯定感が低いと、承認と言うものが栄養と例えるなら、この人はすっごい腹ペコ状態です。場合によっては餓死寸前かもしれません。
そんな人が「承認」と言う餌を目にするとどうなるでしょうか?
ちょっと想像しただけで怖いですね。
その通り。なんとしてもその承認をもぎ取ろうと必死になります。
こういう人、きっと皆さんの周りにもいると思います。
人の手柄を横取りしてでも、評価を得ようとする人。優秀な部下に嫉妬して、厳しく当たって潰そうとする人や、いじめをする人。もしくは、邪魔者を村八分にするように働きかける人。
あとは、身の丈に合わない大盤振る舞いをする人などもそうですね。
あと、意外に思うかもしれませんが、完璧主義者もこの承認欲求に振り回されている人です。
完璧主義者と言うと「完璧を目指すストイックな人」だと思いがちですが、実はその逆で、「失敗を極度に恐れる人」でもあるのです。
先の例の人たちは承認をもぎ取ろうと行動する人ですが、完璧主義者は確実に承認が得られるまでそこを動かないタイプの人です。
健全に承認欲求を満たすには

承認欲求とは言うなれば、心のガソリンのようなものでもあります。
だから、ゼロでは動けなくなってしまう。
だからと言って、飢餓状態で走り回ったところで余計に機会を逃すばかり。
だったら、どうすればいいのかというと。
まず自分で自分にあげるんです。
そもそもなぜに飢餓状態かというと、自分で自分にあげるべき承認まで人に貰おうとしているから。
これが一番大きな原因です。
自己肯定感でも出たお話ですが、まず自分が誰よりも自分を認めてあげること。
自分で自分に承認を与えてあげる。 これがないと、いつまでも腹ペコのまま満たされません。
別に誰も見ていないのだから、自分で思い切り自分を労うところから始めましょう。
あなたはよくやっているよ。
あなたはとても頑張っているよ。
あなたの努力は無駄じゃないよ。
あなたは素敵だよ。
できれば、ハングリーな時は自分で自分をぎゅっと抱きしめてあげるとより効果的です。
こうして、自分で満たす練習を重ねてください。
最初は誰もいないのに、照れ臭かったり、嘘くさく感じてしまったりするかもしれませんが これも自己肯定感を育てる時と同じです。
枯れ木にお水をあげて、徐々に新芽がでて、元気を取り戻していくのと同じ。 時間はかかりますから、自分のペースで、でも自分を蔑ろにしないで少しずつ積み上げていきましょう。
多分、この承認欲求ハングリーお化けになっちゃう方というのはおそらく自己肯定感も低いはずなので、前回の記事もぜひ参考にしつつ、両方とも取り組んで行っていただくのがベストかと思います。
こうして、少しずつ満たして行くと、世界も必ず変わります。
以前はハングリーに求めても誰もくれなかった承認が、少しずつ自分にもたらされるようになっていきます。
こうなってくればきっともう、かつてのような苦しい飢えは無くなって、もっと穏やかな気持ちで過ごせるようになっているはず。
大人になってからの育て直しは、手間が確かにかかりますが、手間をかけたぶん、得るものは非常に大きいと筆者は自分の体験から感じています。
自分がそうかも、と思う方はぜひ、少しずつでもいいので取り組んでいってくださいね。