デザインがお洒落なアニメ作品① おそ松さん

井上 美穂
デザインのおはなし

アニメ作品が好きで、過去作も今のものもよく観ている筆者ですがここ最近のアニメを観ていてよく思うことがあります。

それは、

デザイン完成されてる・・・!!

そう、最近のアニメはコメディやシリアス、ファンタジーなどジャンル問わず、なんせお洒落。

幕間のアイキャッチ画像は、まるで広告バナーのような配色センスですし、

あっという間に動いてしまうオープニング映像だって、スタッフロールなどのフォントとの融合具合が素晴らしくどこを切り取ってもポスターに出来てしまいそうな素晴らしい一枚絵ばかり。

そのため仕事の中でデザインを手がけることの多い筆者は最近アニメの配色・レイアウト・フォント配置などをお手本にすることが増えました。

当記事では、そんな筆者がデザイン視点でよく参考にしているアニメ作品達をいくつかピックアップして順番でご紹介したいと思います。

アニメ作品その1:おそ松さん

第一弾は「おそ松さん」です!

ここはいろんな世代の方がご覧になると思うので、先に断っておきます。おそ松「くん」ではなくて、おそ松「さん」の方です。

全く知らない方のために軽くご紹介しておきますと、おそ松さんは、6つ子のおそ松くんがそのままスクスク成長して大人になった姿という設定でして、元祖からの流れを汲んだ日常のしょうもない諍いなどをテーマにした4コマ的なギャグアニメです。

切り口としてはかなりアグレッシブで、諸々の権利や放送倫理のスレスレを毎回すり傷だらけになりながら走り抜けてるような、なかなかヤンチャな作品でもあります。

1期、2期に映画を挟み、最近、3期が始まりました。その人気は衰えるところを知りません。

さて、そんなおそ松さんですが筆者はもっぱらアイキャッチやプロダクトをよく参考にしております。

ポップだけど目に優しい絶妙な配色


引用:おそ松さん公式サイト「ニートの生き様展」よりhttps://osomatsusan.com/ikizamaten/

おそ松さんて6つ子っていう設定ですよね。で、この6つ子、それぞれのキャラを際立たせるために彼らそれぞれが戦隊もののようにテーマカラーを持っています。

おそ松なら赤、カラ松なら青、みたいな感じですね。

つまり頻繁に6つも色が登場するわけですよ。

これ、デザインやってる人ならちょっと悩むポイントだと思いません??

筆者はいまだにカラフルな制作物はなかなか苦手です。なんたってバランスが難しい。

せめて3色にして欲しいです。

ところがおそ松さんはこの6色のバランスをもう見事にクリアしています。

6人並んだって全然目が痛くならず、しかもお洒落。

昔、アニメグッズって鞄につけたりしているとものすごい目立ちましたよね?

ところがおそ松さんのグッズってね、びっくりするほど馴染むんですよ。

数年前、あの子、なんかお洒落なペナントつけてるなー、センスあるなーと思って眺めてたら

おそ松さんの缶バッジだったことがあってその見事な溶け込み方には本当にびっくりしたものです。

引用:おそ松さん公式サイトよりhttps://osomatsusan.com/1st/goods/list.php?id=1000892

ほんの少しの配色でここまで変わるものなのか、という本当にいいお手本ですね。

これはおそ松さんだけに限ったことではないのですが、最近のアニメはそういう日常の服装につけてもお洒落に見えるところまでしっかり計算されてグッズデザインされているものが多いので、そういう部分も含めて筆者はよく参考にしています。

ちょっとした配置のバランスが神っている

引用:おそ松さん1期 11話「クリスマスおそ松さん」幕間アイキャッチ画像より

おそ松さんのデザインセンスはもちろんながら配色だけではありません。

さりげないフォントの位置やキャラクターの配置場所、つまりレイアウトも素晴らしいのです。

これは1期のアイキャッチ画像なんですが、これも本当に素晴らしいバランス!

タイトルアイコンに文字にキャラクターと、一見単純な配置に見えるかもしれませんが、背景の色味を含めてここまで可愛く作るってなかなかできません。

しかも、ほら・・・・置いてある絵が絵でしょ?(笑)

これ、黄色じゃなくて金っていう色にしているのも素晴らしいですよね。これが黄色ならパステルにしたってもうちょっと目が痛いです。

かといって一松カラーの紫だけ使っちゃうと今度は沈みすぎてしまいますし。

で、彼から醸し出されるホラー臭に惑わされずに、この一松の様子を見ていただくとなんとなく察していただけるようにこれは実はクリスマスの絵なんですな。

そう、ハロウィンじゃないのよ、クリスマスなのよ!

金がいいバランスで文字にも背景にも入ることでちょっと小洒落たクリスマスにちゃんとなっているんですよ、これが!!

しかもカボチャ色が一切入ってないからハロウィンでないこともわかるしね!!

だからこそ。

一松は「ICHIMATSU」にしてあるんだと筆者は思っています。そして英字なら各文字に使える色も詳細にコントロールできるので全体のイメージも統一しやすい!

この一松の絵の素材だけ貰って「あとは任せるから可愛いバナーにしてけれ」って言われたら私ならここまでの絶妙さはまだ出せません。

本当に現場の皆様はいい仕事をされていらっしゃいます。

最近はpintarestなんて素敵なWEBサービスも出来ましたし、おそ松さんのお洒落さはみんな気がついていてたくさんキャプチャされているのを見ますね。

この記事をきっかけに良かったらデザインという観点で是非アニメを観てみてください。

目から鱗の発見がいっぱいあるかもしれませんよ〜〜!