こんな素材は嫌だ!ロゴ篇
制作のおはなし
この記事は制作ご依頼にお客様からお預かり頂く 素材にまつわる制作サイドからの魂の叫びをお送りします。
養老孟司先生の著作から引用するならば、制作と依頼の間にある「バカの壁」
その高く聳え立つ壁を出来るだけ明るく、ぶち壊して参りたい所存でお送りするこの企画。
写真の次はこれまたよくあるロゴについて。
元データがない

これ、超あります。 あるあるです。
5年以上もこの業界にいれば、今や慣れたものではありますが 新人の頃は目をひん剥いてびっくりしたことをいまだに覚えています。
ご担当のかたがよく仰るのは以下のようなお話。
「いやー、前任がやめちゃって元データがあるかもわからなくて。 サイトにはあるのでこれでいけませんか?」
このロゴが綺麗なデータなら問題ないんです。 が。大体、そういう時に限ってデータが粗い。
サイト改修でロゴをデカくすれば写真篇で語った通り、余計に荒くなるだけです。 その場合、制作担当はどうするかというと。
大体、イラレで綺麗にトレースして、ロゴを作り直すんです。 この作業も年々やってればそりゃ慣れてきます。
が。 できれば、これはなくしていって頂きたい課題でもあります。
ロゴはいわば御社の顔です。 そのデータが前任がやめたからってどっかいってしまうのはちょっといただけません。
前任者がばっくれてしまったとかそういうもうどうにもならない事情なら しょうがないこともありますが、ロゴデータはせめて何人かで共有して置いてください。
ここまでWEBが進化して昨今なのであえて言わせて頂くと、ロゴがどっかいくというのはハンコがどっか行った状況と近いものがあるんだとご理解頂ければ幸いです。
ワードか花子さんで作った面影のあるレトロロゴ

歴史ある団体様などで出会うことのあるパターン。
かつて日本では、マイクロソフトさんが今のように主流になる前は、ジャストシステムさんのソフトウェアがたくさん使われておりました。
ワードではなく一太郎。 エクセルではなく三四郎。 と言うパターンに遭遇する機会は皆様もあると思います。
そのソフトの親戚にお絵かきソフトの花子さんと言うのがございます。
今を去ることlong long ago
フォトショップだの、イラストレーターだの昨今のソフトが登場する前は この花子さんが非常に便利なソフトでして。
これでロゴ的なものやキャラデザをされていた方もたくさんいらっしゃいました。
ここで心血注いで作ったロゴはそのままにしてサイトはリニューアルしたい、と言う ご依頼を受けることが多々あります。
これがなかなかしんどい。
なぜなら、リニューアルに際して、現代のWEBの進化に対し、そのロゴだけが見事に乗り遅れてしまったような出来にどうしてもならざるを得ないからです。
依頼者側はロゴを変えることで予算が上がることを避けたいと言う思いもあるでしょうし、特に歴史ある団体様だとお作りになったご本人差し置いてのリニューアルが気が引けてしまう場合もあるとお察しします。
ただ、できればデザインは変えなくていいので、風合いだけでも現代にテイストを寄せたものにプチリニューアルした方がいいことが多々、あります。
ここは制作側と依頼側で双方上手に歩みよって、いい落とし所を見つけていけたらいいですよね。
ぜひ、依頼者様方もリニューアルをお考えになる際はこのあたり、皆様で揉んで頂けると大変、有り難いです。
ロゴがそもそもない

これも、たくさんあります。
もしくはあったけど、過去の遺物と化している場合もあります。
それは問題ないのです。
問題なのは。
制作を進めていって、素材を出して頂いたりする中でロゴがないな?と思うと 我々は当然「ロゴをください」と要求いたします。
その時に
「あ、ないんです。一緒に作ってくれます?」と
ついでにこれも、みたいなニュアンスで追加注文するお客様がたまにいらっしゃる。
・・・・ここで私はゴルゴ13のような渋い顔で問わねばなりません。
ロゴとはオプションたり得るのか?と。
・・・つまりですね。ロゴってこのくらい人によって認識に開きがあるんですよ。 例えるなら、欧米の方にとってのハンコみたいなものかもしれません。
大事らしい。でも無くしたからって困らなくない?みたいな。 特に罰則があるわけでもないですしね。
というわけで。
ここで、一応しっかり訂正を入れさせていただくとですな。
ちゃんとしたものをお作りになりたいのであれば。
サイトの前にまずロゴです。
ロゴ作ってからサイトです。
順番が違いますです。
そして、ロゴは別料金でございます。
ここ、とても大事なので恐れながら、魂に深く刻み込んで頂くことを強くお勧め申し上げます。