こんな素材は嫌だ!写真篇

井上 美穂
制作のおはなし

この記事は制作ご依頼にお客様からお預かり頂く 素材にまつわる制作サイドからの魂の叫びをお送りします。

養老孟司先生の著作から引用するならば、制作と依頼の間にある「バカの壁」

その高く聳え立つ壁を出来るだけ明るく、ぶち壊して参りたい所存でお送りするこの企画。

手始めに素材として最も制作サイドが暴れ倒したくなる筆頭、写真について参りましょう。

これに関してはネタが山とありますし、依頼者様に知って頂きたいことも山とあります。
恐ろしいことにすべてノンフィクションです。

昔のウェブで使ってた超小さい写真

これはリニューアルあるあるです。

昔のCSSをようやく別ファイルにし始めたかな?くらいの レトロサイトのリニューアルだと 画像が信じられないサイズと粗さでそこにいる場合があります。

かつてはそれなりに見れていたはずの写真も時代を経てしまうと、もうなんの写真だかわからんべ、と言う状況になっていることもしばしば。

しかし、この写真を使いたいと仰られる場合がたまにある。

お客様にとっては最も我が社を現した一枚なのかもしれません。

ですが。 ちょっと寿命と言わざるを得ない。

というのも、粗いデータは拡大するとさらに粗くなり、もはやわけがわからんものにしかなはないからです。

もしも、元データがそこそこの画質なのであればどうにかなるかもしれませんので、元データや、それこそ写真原版がご用意できるのであればこちらとしてもどうにかできる余地はあるかもしれません。

ガラケーで撮った写真

最近でこそ、少なくなりました。

が。 まだ、あります。

先の話とちょっと被りますが原データが粗いものは引き伸ばしたところで 残念ながらより粗くなるだけです。

何か特別な想い入れがあるのかもしれませんが、せめてデジカメかスマホで撮り直してください。

スマホアプリで撮った写真

ここで大事なポイントはスマホで撮った写真ではなく、アプリを使って撮った写真、です。

スマホで撮った写真は結構画質も悪くないものが多いのでデータとしては悪くないことが多いです。

が。 アプリを介した写真はすでに妙な加工がされていることが多いです。

微妙に星が飛んでいたり、キラキラしていたり、あなたの目がウルウルしていたり。

この写真に慣れた人は違和感をさほど感じないと思いますが、いざデータととして提出されてくると時折 戦慄を感じます。

こんな顔の人間はいない。

加工技術とは恐ろしいものです。

データ提出の際は変な見栄をはらず、普通の撮影データをお送りください。

ポージングが摩訶不思議

結構、かっちりした固めのコーポレートサイトの依頼を頂いて、取締役様のお写真を 頂いた時のこと。
頂いたお写真がこんなんでした。

この令和の時代に、なぜこのポーズを・・・・?

えらい人なのに、これではもはやギャグです。

しかし。これは聞きにくい。

「ヅラがズレてます」と声をかけるくらい聞きにくいです。

お立場があって担当の方も突っ込みにくかったのかもしれませんが、 こういうデリケートなやつはどうか社内で先に揉んでおいて頂きたい。

豆粒の如き被写体

特定の人物写真素材を頂いたはずが、そこに映るは田園風景の一軒家。

人は何処。

と凝視してびっくり。

一軒家の前に豆粒のようなサイズのお爺さまが。

担当者「会長の写真これしかなくて。なんとか引き伸ばせませんかね?」

残念ながら、人かどうかも怪しい何かにしかなりません。

加工ありきで素人さんが撮った写真

これもよくあります。

というかこれこそが本記事のメインテーマとも言えるかもしれません。

フォトショップってなんでもできるんでしょ〜〜?じゃあ、これも綺麗にして☆
・・と無邪気に提出されるお客様からのお写真。

「ここに人が映り込んじゃったの〜、これを消して使いたい!」

「ずっと雨だったから雨の写真しかなくて。晴れの写真に変えて載せてください!」

目を輝かせて、と言うか「専門家、出来るよね!」テンションで提出されるこの魑魅魍魎・・・ おっと失礼いたしました。

確かに、フォトショップには異物を削除する機能があります。

が。 その素晴らしい部分ばかりがクローズアップされてしまい尾鰭がビラっビラについて もはや頭と胴体がどこにあるかもわからない状況になっていると推察いたします。

なぜかと言うと、お客様が「できるよね!」と自己判断されてお渡しになる写真のほぼ9割が この写真の加工に全てを賭けるのか、と言うほど手間がかかるものだったり、 はたまた逆立ちしても絶対無理なやつだったりするからです。

・・・ちょっとイメージつかない人のためにここはお料理で説明しておきましょう。

サーモンムニエルが食べたいから、料理人に依頼しました。

でも、サーモンが釣れなかったから代わりに鯉を渡して これでサーモンムニエルとして出して! と言いました。

当然ながら、鮭と鯉は魚の取扱方も調理法もまるで違います。
でも、あなたはサーモンムニエルの値段しか払わない。

写真が悪くて加工まで依頼する、と言うのは実はこれとほとんど同じなのです。

だったらどうすればいいかと言うと、もうね、聞いて欲しい。

「これ使えますか?」と。

場合によってはディレクターが撮影に立ち会ってアドバイスすることだってできるんですから。

そして、お金や手間をかけた写真でどうしても加工が必要になった時こそ、 フォトショップの出番とするのが制作サイドとしても頑張り甲斐があります。

もっと言うと、サイトの写真と言うのは、WEBの進化とともに今やそのサイトの全体イメージまで決定する非常に重要な存在になりました。

だからここは、ケチらないでカメラマンさんを雇って、いいカメラでいい写真を撮った方が絶対にいいと筆者は強く強く思います。

その予算が取れないうちはリニューアルを見送ると言う判断すら英断だと思います。

依頼主の皆様、ここは是非とも心に留めて置いてくださいませ。

さて、筆者がこの記事で最も言いたいことは以下の2点。 是非とも心に刻み込んで頂きたい。

  • 商品写真を撮るなら最低限の機材を揃えて撮りましょう。
  • 人物写真やサイトの顔になる写真を撮る場合は、業者を雇いましょう。