デザイナーたちのストレス事情
制作のおはなし
こんにちは。
先日、クライアントとデザイナーのコミュニケーション不足による溝を埋めていきたいね〜なんて殊勝な記事を書いたその2週間後に、そのクライアントワークで誰の目にもつかない場所で一人キレ散らかした筆者です。
埋めていきたいはずの溝を早速自ら深めにいくというこの業の深さ。
己の人間が出来てないのは重々認めますが、しかしながらそれでも腹に据えかねる思いというものはそうそうどうにかなるものではありません。
大人になるとお酒を呑んだり、打ちっぱなしに行ったりして、とにかく発散するしかないこのなんとも言えないモヤモヤたち。
皆様はどう発散されていらっしゃいますか?
こう言った出来事は避けようとしていても遭遇してしまうもので、いざそうなった場合、いかに安全に大暴れするかというのはもはや現代人の永遠の課題と言えましょう。
怒りに「正論」をぶつけてもいいことはない

このデザインというお仕事を始めて、そこそこ長くなってきてしまった筆者ですが。
そして、その「そこそこ長い時間」の中で色ーーーんな案件に出くわして参った訳ですが。
この仕事、スキルもセンスも論理思考も当然必要で磨いていかねばならないものです。
が。
それ以上に身に染みて学んだことは、ストレスコントロールがいかに大事か、という点でした。
あのね〜、どうしてもね、我慢ならん展開というものが訪れてしまうのですよ。
特にデザインって自分のいろんな感覚を総動員して作るので、どんなに稚拙に見えてもやっぱり可愛い自分の作品なんですよね。デザインというものはお客様ありきだとどんなにわかっていようとも、幾ばくかの誇りがそこにはどーーーしても含まれる訳です。
するとね。デザイナーからすると、どうしても「改悪」にしか思えない修正指示が飛んできたりとかもするんですな。
「えっ、それやったら台無しやん・・」みたいな。
あとは、提出される材料が酷すぎる場合。これで一体何を作れと仰るのか、みたいな。主にこちらで素材を探しようもない写真たちのことを言っているのですが。
さてそういう場合、対お客様には、言わねばならないと判断すれば当然言います。 依頼者と請負人は本来対等な立場ですからね。ここで変な遠慮はかえって良くない場合も多々ある。
しかし、それでもこちらが波動砲発射3秒前の状態で泣く泣く引き下がらざるを得ない場面というのはたくさんあります・・・。
こうなってしまったとき、どうするのがいいのか?
筆者としてのおすすめは一旦、思い切りキレておくことです。
怒りを決して封印しないこと。 安全な場所まで移動したら力一杯波動砲を発射しておくことを心よりお勧めします。
自分だけは自分の怒りに対して「その怒りはもっともだ!怒って当然だ!!」ってちゃんと言ってやること。
ここでよくある失敗として、相談相手を間違えて逆に説教されてしまったり、正論で論破されて余計にモヤモヤするというのがあります。
故に、確実に同じ怒りを共有できると思える相手以外には下手に相談しないほうが精神衛生上いいと言えるかもしれません(経験者談)
ちなみにこの「怒り」ですが、感じないようにしようとすればするほどおかしなもので、見た目には不機嫌全開となります。触るな危険人物と化します。
この迸るレベルの怒りというのは自分以外の人からすると非常におっかないものとなってしまうのは皆さんもよくご存知かと思いますが、ここで一番の悲劇は何かというと。
実は、当のご本人はこの怒りを鎮火しようと頑張っているのに結果、余計に怒っていることがバレてると言うことなんですな(やっぱり経験者談)
これらを踏まえても、だったら10分くらい離席して、ちょっと河原で叫んでくるわーとか言える方が絶対世界は平和なんじゃないかと筆者は思っています。
安全な波動砲発射講座

さて、そうは言ってもどうやって安全にキレるんじゃい!と思う方もいることでしょう。
そんなあなたに筆者直伝。安全な波動砲の撃ち方を伝授致します。
※ こちらはちょっとの愚痴ではどうにもならない、ひと暴れしなきゃどうにもならないワー!と言う怒りの発散用としてお使いくだされば幸いです。
密室を用意しましょう。

まず、必要なのは人目につかない場所です。
路地裏とかじゃないので間違えないように。
別に誰とも果し合いとかしません。
カラオケボックスとかもいいかもしれませんが、筆者はお隣さんのレッツパーリィっぷりが気になってしまうタチなのであまりお勧めしません。
一番は、お芝居の稽古ができるようなスタジオです。
ダンススタジオとかで検索してみるといいかもしれませんね。
最近はインスタベースやスペイシーなどのサービスも充実しているのでお安いスタジオは探してみれば案外あっさり見つかることも多いです。
密室を用意したら、まずはストレッチ

さて、部屋は確保出来たので早速怒りを発散・・・したいところですが、ここはグッと我慢して、まずはストレッチから始めます。
なんでやねん。
というツッコミはごもっともですが、これにはちゃんと理由があるのです。
決して、記事を引き伸ばして文字数を稼ぎたいわけでも、CMを入れたいわけでもございません。
一般的に怒りという感情は世間的に見ても好ましくないと言われがちで、我々日本人は特に怒りを出し慣れておりません。
加えて現代人、デスクワークで身体が固まりがち。
こんな準備不足の状態でフルスロットルで怒りを解放するとどうなるかというと。
己の波動砲によって自爆します。 もうちょっと具体的に言うと、どっか痛めます(経験者談)
お前だけだろう、と思いました?そんなことないんだぞ、これが〜〜〜! 現代人、ひいてはデザイナーの不健康さを舐めてはいかん。
筆者の知っている中では、足をつる、背中をつる、はもはや当たり前。 そして、デスクワークで散々凝り固まった筋肉にこの「つる」刺激が加わると、筋を痛めてしまって病院へ・・・と言う可能性もあります。と言うか、割と鉄板です。
怒るたびに負傷してたら身が持ちません。
何より安全じゃないです、諸刃の剣です、対象のいないメガンテです。
そんなことにならないように、二の腕、背中、そして足のふくらはぎなどは重点的に伸ばしてほぐしておきましょう。
十分にほぐしたら寝転んだ状態で波動砲を放つ

さて、ここまで出来たら準備OK。
大の字に寝転んで思い切りキレ散らかしてください。 ここでポイントは出来るだけ我に返らない(笑)
いいですか。迷ってはなりません。怒りを解き放つのです(どこかの女神様風に)
罵詈雑言が出てくる方は是非そのままで。
言葉が浮かばない方は魂の叫びでどうぞ。
慣れてないと多少喉を痛めるかもしれませんが、気にせずやっちゃいましょう。
あ、痛めた場合は迎酒みたいなアルコール消毒はせずに、蜂蜜で潤してくださいねん。
ちなみに寝転ぶ理由は安全に暴れやすいからです。
どんなにキレても、ジタバタゴロゴロするだけですからね。 立ってると、人間つい視界に入ったものに当たってしまったりもしますし、そう言う発散は遺恨を残すので推奨しません。 あと多分お支払い時に施設管理者に叱られますしね。
しっかり怒ったらここからストレス解消
さて、ここでしっかり怒っておけると、比較的すっきりとします。
清々しい気持ちになれます。
が、中にはちょっと持ち越してしまう場合もあるかと思いますし、最初は慣れない分全部は難しいです。
そんな場合は自分が普段やってるストレス解消をして、しっかり遊んでおきましょう。
お笑いを見て笑うでもいいし、ゲームのなんちゃら無双シリーズとかで目の前に見える有象無象を焼き尽くしてもいいと思います。
こうして、発散、解消、とストレス源からしっかりインターバルを取っていくとだんだん怒りが消えていくので比較的フラットに目の前の現象を見ることができるようになっていきます。
すん、って気持ちで対応できたらOK!
さて、ここまで来たらそのストレス源だった方への感情も比較的落ち着いてきていると思います。
ここでは、最初の頃の依頼を貰ったばかりのありがたい気持ちにまで復活しなくても構いません。 感情の凪いだ「すん・・・」って気持ちで大丈夫です。
最悪、相手が嫌いでも構わないと思います。ひとこと言ってやらねば気がすまねぇ!みたいな気持ちさえ収まっていればあとは大人の対応で問題ない。
こうして、フラットな対応ができてくればこれは自分に対する自信にもつながるので、いざと言うときにしっかり相手に主張していけるパワーを養うことにも繋がってきます。
最後に、どうしても無理だと思ったら、次は受けなければいいと言う選択も自分に許してあげてください。 それを決断できる自分であるためには、受けたものに対しては余程のことでない限りはやり遂げる底力と、そこで生まれた感情を蔑ろにしないこと。
そして、ある依頼を断っても、もっといい依頼に出会えるような準備をしておくことかな、と思います。ここはそれこそ、自分の付加価値をあげることやスキルアップですね。
最近はクリエイティブ業界もかつてほど劣悪な環境で働くことを良しとしない会社も増えてきましたが、逆にフリーランスで受注するとどうしても駆け出しの頃はいろんな洗礼を受けがちになる印象があります。
そうなったときに1つ1つを学びにして、自分にとって少しずついい環境を選択して行くこと、選択できる自分に成長して行くこと。そういう成長を重ねて行く中で依頼者に対して工夫できる点はできる範囲で工夫を重ねていく余裕も生まれていくでしょうから、こうしてブログで発信してみたり、資料を用意してみるのも一興。これも自分で環境を選ぶことに繋がります。
これが最終的には一番のストレスマネジメントになると思います。
そうなっていけるように、目の前の課題は多いですが、日々コツコツと積み重ねていきたいものですね。